皆さん、こんにちは。村田です。
私はプロダクトマネージャー兼エンジニアリングマネージャーの立場で仕事をしているのですが、そんな私にとって非常に興味深いタイトルのイベントがあり、参加してきました。
イベントに参加した経緯
書籍「エンジニアリング組織論への招待」を読んだ方は多いと思います。私も読んですぐに社内のメンバにも「これは必読!」と勧めた口なのですが、その著者の広木さんがトークセッションに出る、さらに個人的にファンであるJapan Node.js Associationの代表理事である古川さんも出るとあって、申し込みました。
エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
- 作者: 広木大地
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (2件) を見る
イベントの形式
イベント全体としては、イベントを主催しているLOBさん、BizteXさんの会社紹介があった後、LOB CEOの竹林さんをモデレータとして、
- エンジニアリング組織論への招待の著者 広木さん
- Japan Node.js Association 代表理事 古川さん
- BizteX CTO 袖山さん
- LOB CTO 中原さん
というメンバで、ITベンチャーが各テーマについて取り組みを話し、広木さん、古川さんからのコメントが語られるという形式で進み、最後に質疑応答+懇親会という形式でした。
この記事では参加レポートとして、印象に残った内容とそこで思ったことをテーマ別にまとめています。
*1
Theme01 初期採用
基本はリファラル採用に両社とも力を入れたという話でした。
LOBさんの話で、最初は2名でとにかくずっとやっていて、掲げるミッションを言語化できてから採用に力を入れ、人も集まるようになったという話、BizteXさんも事業戦略からマネジメント方針のロジックを作ることを大切にしていると話されていて、やはりミッションとかバリューの言語化が重要だよなぁと感じました。
うちの社内でもミッション、社員理念、バリューとかを社員みんなで話して細かい文言にもこだわって決めています。
なので、他社のミッションとかバリューがどのような内容なのか、どんな意味が込められているのかはとても興味があります。
会社紹介の中で、LOBさんのバリューとして紹介された「(Put Your)Hands Up ~名乗りを上げよう~」、BitteXさんのマネジメントの2本柱の1つとして紹介された「個人の利と会社の利を合わせる」という文言は素敵だと思いました。
リファラル採用って実際にどうやっているのだろう?と私も思ったのですが、採用での口説き文句があれば教えてほしいという質問の中で、
広木さんから
「あなたと一緒に働きたい」というメッセージをちゃんと伝えているか?
というコメントが心に残りました。単に人手が足りなくてエンジニアが必要だ、とだけ伝えていないかという点は今後に活かしたいです。
Theme02 チーム開発
「新しい技術を導入したいというメンバがいたとき実際にどうしているか?」という問いについて古川さんが、
実際的にはただその技術を使うというだけでなく、チーム開発しているので、他の人もできるようにする仕組み作りや教育などまで含めて必要になることを説明することが必要。やるべきことは多いのだが、それでも(それも含めて)やりたいか?とちゃんと聞く
ということを言われていて、とても賛同しました。
そこに広木さんの「やりたいと言わせたら勝ち」、「失敗できることは福利厚生」というキャッチーな言葉が紹介されましたが、それはつまり、そのような状況や環境作りがエンジニアリングマネージャーの役割だよ、ということだと理解しました。
Theme03 目標設計/評価制度
評価制度
評価制度は本来的にはなくてもよいものなので、評価制度とはわざわざ作るもの
では何故わざわざ作るのかと言えば、それは「納得」と「成長」のため
といういきなり本質的な広木さんのコメントがありましたが、これは非常によくわかる話でした。
というのも、うちの会社では全社員が査定会に参加し、全社員で給与を決定する仕組みである「Happy査定360」というシステムをやっています。
これをなぜやっているか、と一言でいえば、「納得と成長のため」です。
よく「全社員で給与を決定する」という所に驚かれて、その点を聞かれることが多いのですが、大事なことは、給与は最終的な結果であり、
そこに至る評価の部分を皆で議論を尽くしてやっていることだと思っています。評価軸や職位に求められる責務、会社として必要なスキルや
目指すべき理想について話すことで納得を高め、成長につなげるように意識しています。
評価の部分は、最初に出てきた会社のミッションやバリューと合わさって組織を設計する重要な要素だという思いをより強く持ちました。
目標設計
主に広木さんから次のようにコメントがありました。
目標設計は評価制度に結びつけ過ぎないようにする。それは何故か?
評価に直結すると、次第に目標が達成できるレベルに下がってしまうから。
目標は120%頑張ったら達成できるくらいの高いものにして、
- 目標が100%達成できたらすごい
- 70%ぐらいの達成で合格
くらいでないと、モチベーションも上がらないでしょ?という内容だったと記憶しています。
この目標設計とそのマネジメントに関しては、自分自身もモヤモヤとしている所があるので、今回の話やOKRなどをもう少し学んで、2019年は組織として目標設計をもっと効果的に仕組み化できるようにしたいとモチベートされました。
Theme05 マネジメント
エンジニアリングマネージャの重要性/役割について、どんな人が向いているかなどが話されました。
古川さん自身がエンジニア(エキスパート)とマネージャーの両方の役割をやられていて、
それぞれに面白さがあり、どちらか片方しかやってはいけないということではない。
両方をどちらも楽しんでやれているというロールモデルとなりたい
と話されていて素敵でした。業界としてそのようなエンジニアリングマネージャーが増えるとよいですよね。私自身もそうありたいです。
広木さんからは
マネージャはあくまでもロールであり、神様でも親でもない、
皆同じ人間であり、相互のやりとりは人間通しの関わり合いであること、大人であること、成熟さが必要
という話がありました。
完璧な人なんていないので、人それぞれ得意不得意があって、それをオープンに共有できる組織でありたいと思っています。
個人的にはこのエンジニアリングマネージャーという役割を、何も一人ですべてをやりきるというのではなく、エンジニアリングマネージャーチームという形で捉えてもよいなぁなどと考えました。
おわりに
通常の技術的なイベントではなく、こうした組織論のイベントに参加するのは初めてでしたし、広木さんや古川さん、そして、実際にITベンチャーであるLOBさん、BizteXさんの生の話を聞きながら自分の会社の取り組みを振り返ることは非常に貴重な機会となりました。
主催してくださったLOBさん、BizteXさん、ありがとうございました。
私も機会があればこのような場で話ができるようにしていきたいです!
Acroquest Technologyでは、キャリア採用を行っています。
- ディープラーニング等を使った自然言語/画像/音声/動画解析の研究開発
- Elasticsearch等を使ったデータ収集/分析/可視化
- マイクロサービス、DevOps、最新のOSSを利用する開発プロジェクト
- 書籍・雑誌等の執筆や、社内外での技術の発信・共有によるエンジニアとしての成長
少しでも上記に興味を持たれた方は、是非以下のページをご覧ください。
ユーザに最高の検索体験を提供したいエンジニアWanted! - Acroquest Technology株式会社のエンジニア中途・インターンシップの求人 - Wantedlywww.wantedly.com