Taste of Tech Topics

Acroquest Technology株式会社のエンジニアが書く技術ブログ

SORACOM S+ Cameraであんパンの品切れをチェックしてみた

機械学習エンジニアのhayakawaです。
弊社には社内で菓子パンを扱うミニ販売コーナーがございます。
私は好物のあんパンをよく買うのですが、他の社員にも人気があるのですぐ売り切れます。早い。
あんパンを多めに仕入れてもらいたいのですが、
欠品よりも売れ残りを嫌うパン購入担当社員を説得するには、
パンにかける熱意よりも、パンがいつ売り切れたかの統計が必要です。たぶん。

そこで
SORACOM S+ Camera(サープラスカメラ) (以下、S+ Camera)
という製品を使って簡単な在庫管理システムを組んでみました。
※弊社はS+ CameraのAIパートナーです。

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S+ Cameraとは

S+ Cameraはソラコム社のエッジ処理カメラです。

soracom.jp

この筐体に

が入っています。
これにプログラムをデプロイすると、
電源を入れると撮影した画像を処理してSORACOM プラットフォームに送ったり、
何か別の通信(アラートとか)をすることができます。
カメラ向けにプログラムをデプロイするのもプラットフォーム経由でできます。

構成

構成、というほどの内容もないですが、こんな感じです。

f:id:acro-engineer:20191121181552j:plain

一番上の
Torrentio Videoは、弊社の画像・映像解析AIソリューションです。
www.site.torrentio.tech
特定の物体検出などを、学習モデルの作成から推論まで、簡単に実現できるようになっています。

カメラ内にはRaspberry Piが入っており、
そこにはインストールされる"SORACOM Mosaic(プライベートベータ)"というエッジプロセッシングサービス上で
アプリケーションを動かすことになります。

流れとしては次のようになります。

  1. S+ Cameraがカメラで撮影
  2. Torrentio Videoカメラ画像を取得
  3. Torrentio Videoが画像内からパンの欠品を検知
  4. 欠品していたらSORACOMのデータ通信越しに通知

プログラム

まずデータサイエンスの基本作業、アノテーションのお時間です。
今回やりたいのは物体検知のタスクなので、画像内からパンの位置を長方形で指定する作業をひたすらにやります。
f:id:acro-engineer:20191122145917j:plain

だんだんおなかがすいてきました。夕食前にやる作業ではない。

それが終わったらRaspberry Piでも動作可能な軽量モデルで転移学習。
プログラムから呼べるようにします。

また弊社は社内チャットにMS Teamsを採用していますので、
このプログラムの通知もMS Teamsに投げるようにしました。

f:id:acro-engineer:20191121194859j:plain

最初、投稿を5分間隔にしたのですが、
「あんパンが欠品しています」「あんパンが欠品しています」「あんパン…」「あ…」
と1時間に10回以上のペースで延々とつぶやき続けることになってしまいました。呪いか。
作りたいのは在庫管理システムでありスパムBotではないので、
在庫に変化があったときだけ投稿するように改修しました。

物理

f:id:acro-engineer:20191119140351j:plain

電源ケーブルをつなげばとりあえず動きます。
現在はトライアルパッケージ提供のため、
SORACOM ユーザーコンソールの方でSIMカードを登録する必要がありますが、
それさえ済んでいればデータ通信の準備が整います。

筐体が横倒しになっているのは、パンの棚が縦長なのに対して、カメラの撮影画像が横長だったからです。雑ですね。
なお取り付け台は、会社の倉庫にあったUSBディスプレイを載せる台にブックエンドをワイヤーでしばりつけた物です。雑ですね。

結果

で、冒頭のGIFのようになりました。

f:id:acro-engineer:20191119110256g:plain


下のキャプションは、実際はMS Teamsに投稿されている内容です。
毎回、売り切れたものすべてがメッセージに載る仕様です。

なお、判定処理は正面からパンの有無だけを見るようにしました。
本来は在庫管理ですので残り個数をカウントしたかったのですが、
現状の社内のパンのキャビネですとパンと上の棚の隙間が狭すぎて上からの撮影できず、
今回はカウントはあきらめました。

実際のMS Teamsへの投稿はこんな感じです。

f:id:acro-engineer:20191119131404j:plain

MS TeamsはWebhookをかんたんに構成できるので、楽に接続できました。
あとはこのチャネルをパン購入担当にフォローしてもらえば、売り切れ状況をすぐ把握してもらえます。
良い時代になりましたね。

感想

エッジ機器+カメラ+データ通信が1つの筐体に収まっているので、
電源さえつながれば場所を選ばないので便利です。

また、SORACOMプラットフォーム経由でS+ Cameraにデプロイする仕組みがあるので、
TorrentioVideoで学習したモデルを、遠くの機器ですぐ試せるのは良いと思いました。

今回は弊社のTorrentioVideoをインストールしましたが、
何をさせるかは自由に入れ替えられるので、
「会議室に予約時間を越えて居座っている社員を警告音で追い出すシステム」
「御手洗いの清掃中の札が消えたら教えてくれるシステム」
など、ニッチすぎて市販されていない用途のものでも気軽に自作できそうです。

色々と使ってみましょう。

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JJUG CCC 2019 Fallに登壇しました

こんにちは、しんどーです。
最近、トロとパズルにハマっています。この前覚えさせた言葉は「rm -rf /」です。

さて、先日11/23に行われたJJUG CCC 2019 Fallに登壇してきました。

JJUG CCCは日本Javaユーザグループ主催のカンファレンスで、参加者は登録数で1200名を超えたそうです。 自分は参加は9回目で、そのうち登壇は3回目になります。

資料

https://speakerdeck.com/rshindo/jjug-ccc-2019-fall

内容について

今回Java初心者を対象とした「ステップアップセッション」枠でソースコードリーディングについて話しました。

自分も1、2年目のころはOSSのコードを読むのにハードルを感じていて、同じ感覚を持っている人が結構いるんじゃないかなと思ったのがこのネタにした理由です。また、自分の中でコードを読むときに重要視していることを言語化したかったというのもあります。

裏話

ヒイヒイ言いながら資料頑張って作ったところ作り過ぎてしまい、発表では時間が足りなくなり一部カットになってしまいました。聞きに来ていただいた皆さん、すみませんでした。事前練習の繰り返しホント大事ですね!

今回取り上げた2つのライブラリ「Commons DBUtils」と「Javalin」を選んだ理由ですが、

  • コードが大きくない
  • 抽象化が控えめ = 読むのが難しくない
  • DBアクセス、Webといった多くのひとになじみのある領域

といった大体この3点です。

実際、これらのライブラリは機能としてはプリミティブですが、逆を言えばMyBatisやSpring MVCといった高機能なライブラリがコアでやっていることを抑えているとも言えます。大きなライブラリを読むための肩慣らしとしては最適かなーと思っています。ただDBUtilsを知ってる人が皆無だったのは誤算でしたw

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満員御礼!

まとめ

次回予告

12/18(水)に行われるSpring Fest 2019で登壇します!

springfest2019.springframework.jp

Spring Boot ActuatorとMicrometerでの運用監視についてお話しします。ぜひ来てね!

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ServerlessDays Tokyo 2019参加記

こんにちは、新人エンジニアの@yktm31です。
先日開催された、ServerlessDays Tokyo 2019に参加したのですが、レベルもボリュームも最高だったのでレポートをしたいと思います!

ServerlessDaysは、サーバーレスを使って得た知見や経験を共有するカンファレンスで、
10/21(Sun)と10/22(Mon)の2日間に渡り開催されました。
初日はハンズオン/ワークショップ、2日目はカンファレンスという日程で、私は両日参加しました。

会場の様子はこんな感じでした。
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1日目

Microsoftさんによるワークショップと、@toshi0607さんによる「Knativeで作るDIY FaaS」というワークショップを受けました。

1. Microsoftさんによるワークショップ

2コースに別れていて、一つはテキストに従って進めるハンズオン形式、もう一つはチームで課題をクリアするワークショップ形式がありました。
私はその中のワークショップを選びました。

コンテンツとしては、サーバレスなアプリケーションを構築する上で主に利用するサービスを一気に学べる、充実した内容でした。
Azure Functionsのみならず、Cosmos DB・Logic App・Application Insightsを組み合わせて実際的に作るという点が面白かったです。
個人的には、Azure Functionsのデータバインディングなど、実践的な使い方も学ぶことができたのがよかったです。

当日の資料は以下のリンクから飛べます。
github.com

2. @toshi0607による「Knativeで作るDIY FaaS」

GCP上でk8sクラスタを作成し、Lambdaっぽいことができるプラットフォームを構築しました。
丁寧かつわかりやすい資料(下記リンク)に非常に助けられて、k8s初心者の私でも無事構築できました。
github.com

2日目

2日目はカンファレンス、一つ一つのセッションが先進的かつプラクティカルな知見の塊で、非常に濃密でした。
この記事では、その中でも特に、印象に残ったものを取り上げて紹介したいと思います。
当日の様子は、togetterも参考になると思います。
togetter.com


1. 10x Serverless Product Development for a Startup with Microsoft Azure


EBILABさんは、伊勢の老舗食堂のゑびやさんが立ち上げた、データ活用のためのスタートアップだそうです。
EBILABさんがサーバレスアーキテクチャを採択し、10倍の業務効率改善をしたという話でした。

学習コストが低いPython × Azure Functionでシステムを構成。
協力会社に依頼できる部分は依頼し、エンジニアが本当に必要な箇所の設計・開発に注力できるようにしているそうです。
Pythonであればローコンテキストでコーディングができ、サーバレスだと責務分離がしやすいので、協力会社に作業を渡しやすいとのことでした。

その結果、3,4人ほどの小規模なチームで開発を高速に回せるようになり、
事業を進めるうえで「なるべくエンジニアがボトルネックにならないように」を実現しているそうです。
スタートアップという形にも沿うような、システムづくりやサービス形態を実現できるのはサーバレスのいいところだと感じました。

2. Keynote: Infinite Scaling, Finite Failures: Serverless Resiliency Patterns and Lessons Learned

AzureのDurable Functions 2.0(プレビュー)を使えば簡単に障害回復を実現できるという話でした。
サーバレスシステムでは、データソース、サードパーティAPI、ネットワークなど
依存関係がある箇所どこでも障害が起こり得ます。

サーバレスで障害が起きたとき、回復の手段として多く取られる手法はRetry(再試行)です。
しかし、再試行ではうまく行かないケース、(例えば、削除処理がある関数実行中に障害が起きるなど)があります。

一つ一つの関数がidempotency(冪等性)を担保するために、サーキットブレーカーパターンと言うものがあり、
closed/open/half-open という状態を持って、関数の稼働を制御するそうです。

サーキットブレーカ自体の実装は大変ですが、AzureのDurable Functions 2.0(プレビュー)を使えば簡単に実現できるとのことでした。
今はプレビュー段階ですが、是非触ってみたい機能ですね。

3. グローバル展開のコネクティッドカーを支える大規模サーバーレスシステム事例

実は、弊社マネージャの鈴木 貴典(@takanorig)が、トヨタさん・AWSさんと一緒に登壇していました!
(このセッションを聞くことが目的の一つでもありましたw)

発表されていた内容は、「コネクティッドカー」として、
車と、ドライバーや各種サービスとを繋ぐシステムを、サーバレスで構築した事例の話でした。

サーバレスを用いた理由として、徹底的にムダを削除し、価値ある仕事にコミットするため、というのが印象に残っています。

・多くの車が動くのは日中の時間帯であり、昼と夜とでアクセス数の上下が激しい
・購入された車は数年以上乗り続けられるため、それに合わせたサービスの保守が発生する
といった、「車ならではの特性」を踏まえ、サーバレスを利用してリソースの最適化と運用コストの削減を実現。

運用コストが減った分、新規サービス開発や既存サービスの改善に時間をさけられるようになったようです。

また、大規模サーバレスシステムのリアルな構成・運用の話もあり、かなり実践的な内容だったと思います。

今回、トヨタさんのシステムが発表されるだけでもレアなケースとのこと。
業務的にかなりリアルな内容を含んでいるため、詳細については残念ながらオフレコになっています。
togetterで雰囲気を感じてもらえたらと思います!

4. 空調設備向けIoTシステムにおけるクラウドランニングコスト

空調同士をインターネットに繋いでIoT化・プラットフォーム化するというプロジェクトについての話でした。

システム規模は500万台、1min毎にデータ発生し、同時アクセス9万人という大規模IoTデータを扱うにあたり、
IoT×サーバレスでは、リクエストの数によって青天井にスケールしてしまう可能性がある。
その問題に対処すべく、DynamoDB設計の試行錯誤が、失敗例も含め具体的に発表されていました。
資料はこちらにアップされています。

サーバレスも一つ使い方を誤ると、膨大なコストにつながってしまうことがわかりました。
明日は我が身として、サーバレスを使うときのコストが最小になるような設計が必要だと感じました。

まとめ

今回、色々な企業で実際に利用されている事例が多く発表されていました。
その中でも印象に残ったことは、サーバーレスなシステムにより、無駄がなくなり、サービスの本質的な価値創造によりコミットできるようになるということです。

個人的には、サーバーレスの目指す姿は、
弊社が目指す「人は『人にしかできないこと』にリソースを使うビジネスの世界」に近いと感じました。
そういったシステムの開発やサービスの提供に、自分も携わっていけたら、エンジニア冥利に尽きると感じます。

これだけ刺激的な内容のカンファレンスを準備していただいた運営スタッフの皆さんには感謝です。
また来年も参加したいと思いました!

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また、弊社エンジニアのインタビュー記事や、カルチャーについての記事も公開しています。
是非ご一読ください!
・最強の検索エンジンこそが、未来を切り拓く鍵 ~3年目・若きデータサイエンティストの挑戦~
https://www.wantedly.com/companies/acroquest/post_articles/180008
・働きがい全国1位企業に根付く文化 ~全社員で会社を創り上げる~
https://www.wantedly.com/companies/acroquest/post_articles/189283

コンピュータビジョンのトップカンファレンスICCV2019参加記(後編)

こんにちは
@tereka114です。

韓国で開催されたコンピュータビジョンのトップカンファレンス ICCVへ参加していました。
今回はその後半(5~7日目)の参加記です。
前半については、こちらをご覧ください。

※ICCVの公式サイト
iccv2019.thecvf.com

5日目

午前中は「Vision, Language, & Text」、午後は「Recognition, Detection, & Re-Identification」のOralに参加しました。
前半はテキストと画像の組み合わせにより何ができるのかが非常に面白いところ。
後半は特に物体検出に注目して見ていました。
Detectionもいくつかのニューラルネットワークアーキテクチャの提案があり、Trident NetworkやGANを利用したDetectionの改善がありました。

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6日目

本会議の最終日です。
午前は「Single-View 3D Modeling, Pose Estimation」、午後は「Segmentation, Detection, 3D Scene Understanding」に参加しました。
特に注目すべきは、「YOLACT: Real-Time Instance Segmentation」でしょうか。
今までMask RCNNのように物体を検出してから分類とSegmentationするのではなく、一度に検出、分類、そして、Segmentationを行うアルゴリズムです。
これにより従来よりも大幅な高速化を実現しました。

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7日目

Accelerating Computer Vision with Mixed Precision

NVIDIAが公開しているamp(Automatic Mixed Precision)の仕組みの紹介とその事例の紹介のチュートリアルです。
Mixed Precisionはfloat32とfloat16の計算を組み合わせて、計算速度を高速に、かつ、メモリ消費量を抑えられます。
また、精度も変更なしと比較してほぼ同等になります。

この仕組みを利用することによりバッチサイズを増やせる利点もあります。

実行にはGPUにTensorCoreが必要になりますが、メモリ消費量を抑えつつ、高速化できるのは魅力的です。
PyTorchだと、apexライブラリを利用すればごく僅かなコードの修正で利用可能です。

github.com

3D Deep Learning and Applications in Autonomous Driving

タイトル通り、3DのDeep Learningと自動運転のチュートリアルです。
個人的には今回、3次元系の話が多かったので、その知識を得るために参加しました。
前半は3DのDeep Learningで、3D系の知識を得て聞くと入力から出力に至るまで創意工夫が入っており、とても面白いと感じました。

後半は自動運転で利用されるDeepLearningの紹介です。
LiDARと呼ばれるセンサーと得られる画像を組み合わせて物体検出などを進めていくのは非常に面白いと感じています。
おそらく、これからも3Dの技術と画像などの複数のデータを扱う技術が発展していきそうです。

ここは勉強を続けて追っていきたいと思っています。

フィードバック会

11/12に会社内でICCVのフィードバックを実施しました。
韓国での様子や学会の傾向や今後の研究で進みそうな分野、そして論文について話しました。
プロジェクトに活かせそうなことも多くあったため、質疑応答も活発に行われていました。

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最後に

ICCVに参加して良かったと感じました。
最近のトレンドが変わってきてるなぁと思っているので、新しいことをどんどん吸収していきたいと感じています。
特に動画や3Dが増えつつあるのに加え、NASなどを用いた基礎研究の発表もあり、非常に幅広い分野について学べたと思っています。
仕事やKaggleに役立ちそうな知見を論文から得られたので、使っていきたいと考えています。

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コンピュータビジョンのトップカンファレンスICCV2019参加記(前編)

皆さんこんにちは
@tereka114です。

10/26~11/02まで韓国で開催された、コンピュータビジョンのトップカンファレンスの一つであるICCV(International Conference on Computer Vision)に参加しました。本記事では、前半部分(〜10/30)までを記載します。

ちなみに、私はKaggle Masterとしての日頃の貢献が評価され、参加費+渡航費は会社から出してもらいました。
ありがとうございます!

iccv2019.thecvf.com

1日目

渡航

直前まで予定が入っていたので朝から韓国へ渡りました。
韓国は初めてですが、時差もないため、非常に楽です。
ただ、唯一のネックは韓国語しか書いていない箇所が多く、時々、何を示しているのかが?になるところです。
渡航し、そのままCOEX Convention Centerに向かいICCVのWorkshopに参加しました。

Open Images Challenge

本会議前のWorkshopに参加しました。
参加したのはOpen Images Challengeです。

このOpen Image Datasetを用いたコンペティションは今年もKaggleと呼ばれるデータサイエンスプラットフォームで開催されています。
物体を検出するObject Detection、物体の関係性を推定するObject Relation、そして、物体を個別に識別し、ピクセルごとに識別するInstance Segmentationの3つのTrackがあり、上位者がそのソリューションを発表していました。

このデータセットは画像の枚数、バウンディングボックスの数共に多く、現在の利用できる最大規模のデータセットとも言えます。
本Workshopは各Trackごとに主催者による解説と各コンペティションのソリューションの説明の順に進みました。
ソリューションから新しく学べるものが多く、今後も活かせそうなものが多かったです。

2日目

The 3rd YouTube-8M Large-Scale Video Understanding Workshop

Workshopの2日目です。私は「The 3rd YouTube-8M Large-Scale Video Understanding Workshop」に参加しました。

動画解析は2Dとはまた異なったテクニックが必要となるため、最新の研究動向の調査を兼ねて参加しました。
画像解析とは異なり、動画は時間の長さが動画ごとに異なり、時系列の依存もあるため、画像と比較して難しいと思っている分野の一つです。
これもまた、Kaggleでコンペティションを開催していたので、そのソリューションの説明もありました。

途中で紹介されたSlowFast Networkやライブラリ、関連研究の紹介も含め、非常に良いWorkshopでだったと感じています。

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3日目

Opening

本会議1日目にICCVの統計情報の公開されました。
参加者が7501人で、1075論文の発表がある非常に大きな学会です。

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参加者の人数ですが、2年前の前回と比較しても2.41倍に増えています。
このまま増えると次は15000人超えのすごい学会になってしまいますね。。。

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今回の参加者は開催国である韓国が最も多く、2964人も参加しています。
日本からも200人程度参加しています。

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Oral1

タイトル(BestPaperなど)を獲得した論文の発表です。
ICCVのBest Paperは「SinGAN: Learning a Generative Model from a Single Natural Image」です。
SinGANは、1枚の画像のみを入力し、パッチ学習と呼ばれる学習を用いて学習させた画像と類似した画像を生成できます。
これを用いて類似画像の生成、画像の復元、超解像などの様々なタスクの実験を行い、目覚ましい結果をあげました。

Oral 1.2

私はホールD1側の「Architectures, Multi-Task Learning, Domain Adaptation」に参加していました。
特に面白いと思ったのはS4L: Self-Supervised Semi-Supervised Learningです。
Self-Supervised Learning と Semi Supervised Learningを組み合わせ、従来よりも高い精度の推論を可能としました。
最近だとWebに無数の画像があるため、Self-Supervised Learning(画像の回転方向を当てるタスクなどと解く)を行いやすく、ここをどのように使っていくとデータの少ない中でも精度を出していけるのか、非常に興味深いところです。

Reception

本会議一日目のパーティです。COEXのホール前の通路で開催されています。
食事をしつつ、ここで他の参加者とも交流し、親睦を深めました。
私自身、海外から参加しているKagglerと少し話をしていました。

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4日目

Oral 2.1.A

Oral 2.1.Aのテーマは「Feature Representations, Similarity Learning」
最近はSemantic Segmentationに取り組む事が多かったので「CARAFE: Content-Aware ReAssembly of FEatures」が個人的には興味ありました。
これは、UNetなどで利用されるUpsampleモジュールを改良する提案になります。
得られた画像のコンテキストを用いて、広い範囲の情報を用い、かつ、高速にUpsamplingします。
これにより従来のUpsample手法より精度を向上させました。

Banquet

会場内の広い場所での開催でした。
かなりの人が集まっており、非常に混雑していました。
会中では主催者がイベントを段どっており、テコンドー、ヒップホップや歴史のビデオなどの放送がありました。
個人的にはテコンドーの演技が素晴らしく、参加者の多くが注目していました。

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最後に

コンピュータビジョン系の学会には1年と数ヶ月ぶりに参加しました。
分野の進みは早くより3D、動画など研究者が取り組む分野もシフトしていると感じています。
今回参加したことで研究の動向が得られていることが一つ大きなメリットであることを現地で痛感しています。
また、後半もお届けします!

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Elasticsearch無料ハンズオンセミナーを開催しました

こんにちは、3年目エンジニアの緑川です。
昨日、銀座でアクロクエスト主催の「Elasticsearch無料ハンズオンセミナー」を開催しました。

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ハンズオンの様子

本ハンズオンでは、Elastic Cloud上で最新バージョン(7.4.0)のElastic Stackを体験していただきました。
Logstashによるデータの収集/加工から、Kibanaを用いた可視化までを通して、利用イメージを掴んでいただけたと思います。
今回は40名以上の方が参加し、ハンズオン中の質問も多く出て、盛り上がりました。

また、今回は当社のサービスである「ホワイトボックス型アプリケーション診断サービス」も紹介いたしました。
これは、アプリケーションの性能監視を可能にする「Elastic APM」をベースに、
当社のエキスパートが、対応が必要となる性能リスク箇所をレポーティングします。

詳細はこちらをご覧ください。
www.endosnipe.com

そのほか、お得なキャンペーンも実施しているので、
興味がある方、Elastic Stackの運用などでお困りの方はぜひご連絡ください。

■お問い合わせ先
アクロクエストテクノロジー株式会社
TEL:045-476-3171
TEL(営業直通):045-330-9400
FAX:045-476-4171
E-MAIL(営業直通): acrosales@acroquest.co.jp

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第33回Elasticsearch勉強会に運営メンバーとして参加してきました

こんにちは。8月にElastic Certified Engineerになりました、ノムラです。

10/4(金)に開催された「第33回Elasticsearch勉強会」に運営メンバーとして参加してきました。
www.meetup.com

今回から、Acroquestが運営に関わっている「JEUG(Japan Elasticsearch User Group)」が「Elasticsearch勉強会@Elastic User Group 東京」にJoinし、コミュニティが1つになりました!「Elastic Stackユーザ同士で有益な情報を共有する」という目的は同じであるためです。

という訳で、新生Elasticsearch勉強会の各発表の概要と個人的に面白い!と思ったところを紹介したいと思います。

概要

発表タイトルは下記の通りです。

  1. Elastic Stackで始めるアプリケーション監視 / Elastic社 大谷さん
  2. Elasticsearch を活用した大規模侵害診断 ~ MONSTRO のお食事 ~ / サイバーディフェンス研究所 伊藤 達哉さん
  3. 決済トランザクションの監視におけるElastic Stackの活用 ~アプリケーションロギング/トレーシングの可視化~/ SBペイメントサービス株式会社 髙野 はいねさん

Elastic Stackで始めるアプリケーション監視

スピーカーはElastic社の大谷さん。
noti.st

BeatファミリーとElastic APMを使ってアプリケーション監視を実現するというお話です。
Elatic APMは、対象のアプリケーションの改修無しで分散トレーシングにより、
性能ボトルネックなプロセスが一目で分かるのが強力ですね。

Elasticsearch を活用した大規模侵害診断 ~ MONSTRO のお食事 ~

スピーカーはサイバーディフェンス研究所の伊藤さん。

MONSTROという独自KibanaプラグインによるSIEMの事例の紹介でした。
ElaticStackにより長期間のログの保存・可視化が可能になり、マルウェアの感染時期や影響範囲がより詳細に分析可能になったとのことです。

決済トランザクションの監視におけるElastic Stackの活用 ~アプリケーションロギング/トレーシングの可視化~

スピーカーはSBペイメントサービス株式会社の髙野さん。
speakerdeck.com

11万店舗以上が利用する決済代行システム。分散トレーシングとしてZipkinを導入。
ビジネスサイドの監視は、3つのビジュアライズのみで構成されたシンプルなダッシュボード。加えて、トレースIDを介してZipinのダッシュボードと連携。これは便利そうですね。あとはWatcherのGUI版ともいえるPraeco(知らなかった。。)が要チェックや!

まとめ

運営としては、勉強会がスムーズに開催、終了したのでほっとしています。
次回以降も参加者の方にとって刺激的な勉強会にできるようにしていければと思います。

発表は実際のビジネスシーンでの活用事例を多く聞くことができ、刺激的でした。
自身の業務にも取り入れてより良い活用事例をつくり発信していけたらと思います。

それでは。

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