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Acroquest Technology株式会社のエンジニアが書く技術ブログ

Apache版Storm初回リリースの新機能の使い方

こんにちは。kimukimuです。
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夏なのか梅雨なのか微妙な気候になっているような感覚を覚える今日この頃です。
いきなり暑くなってきているので、バテないよう気をつける必要がありますね。

さて、前回Apache版Stormの新機能の概要について紹介しましたが、
今回は実際に新機能がどういう風に使えるのか、について確認してみようと思います。

尚、Storm-0.9.2-incubatingもリリースされていますが、それは次回に回すとして、
今回はStorm-0.9.1-incubatingの新機能です。

・・・といっても、ビルドツールの変更などは確認してもあまり嬉しいことはないため、
下記の2つの機能に絞って確認を行ってみることにします。

  1. Storm-UIの各項目にツールチップで解説を表示
  2. NimbusにTopologyをSubmitする際、設定に対するバリデーションが追記

1.Storm-UIの各項目にツールチップで解説を表示

Storm-UIで表示される各種項目に対してマウスオーバーした際にツールチップで解説が表示されるようになった」という新機能です。

Storm-UIを使ってさえいれば常時有効となります。
これは実際にStorm-UIで見てみた方が早いため、実際どんな内容が表示されるかを見てみましょう。

まずはTop画面のバージョンから。こういった形で項目にマウスオーバーすることで項目の説明が表示されます。
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同じように、Topology Summaryの画面でも下記のような項目の説明が表示されます。
Capasityをはじめとした「生データから算出される項目」についてはどのように値が算出されているかも記述されています。
f:id:acro-engineer:20140519072902j:plain
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Executor SummaryにおいてもHostNameの算出の方法について記述されるなど、かゆい所にも手が届きます。
f:id:acro-engineer:20140519072909j:plain

Storm-UIは基本的にStormがZooKeeper上に保持している性能情報を
Nimbusから取得して表にしているだけのため、パっと見はわかりにくい画面なのですが、
今回各項目に解説が表示されるようになったため、使いやすくなったとは思います。

2.NimbusにTopologyをSubmitする際、設定に対するバリデーションが追記

では、次は「TopologyをSubmitする際、設定に対する定型的なバリデーションを行えるようになった」についてです。

これは内容としては、TopologySubmit時に型として不正な値が設定されている設定値を検出してバリデーションを行うものです。
バリデーション対象となるのはStorm自体が動作するために必要な設定値です。
Topology固有の設定値についてはこれまでと同じくTopologyValidatorを自前で作成し、チェックを行う必要があります。

では、実際にどういう場面で使われるのかを確認してみましょう。

今回ベースとするのはincubator-storm/examples/storm-starter at master · apache/incubator-storm · GitHubです。
この中で一番単純なExclamationTopologyを例にとります。
ExclamationTopologyをStormクラスタにSubmitする際のConfigオブジェクトに
ZooKeeperのポート設定を文字列("Test")として詰めて起動してみます。
当然ながら、ポート設定のため本来数値で設定されている必要があります。

  • ExclamationTopology
  public static void main(String[] args) throws Exception {
    TopologyBuilder builder = new TopologyBuilder();

    builder.setSpout("word", new TestWordSpout(), 10);
    builder.setBolt("exclaim1", new ExclamationBolt(), 3).shuffleGrouping("word");
    builder.setBolt("exclaim2", new ExclamationBolt(), 2).shuffleGrouping("exclaim1");

    Config conf = new Config();
    conf.put(Config.STORM_ZOOKEEPER_PORT, "Test"); // 本来数値でないと動作しない設定に文字列を設定

    if (args != null && args.length > 0) {
      conf.setNumWorkers(3);

      StormSubmitter.submitTopology(args[0], conf, builder.createTopology());
    }
    else {

      LocalCluster cluster = new LocalCluster();
      cluster.submitTopology("test", conf, builder.createTopology());
      Utils.sleep(10000);
      cluster.killTopology("test");
      cluster.shutdown();
    }
  }

この状態でStormクラスタにSubmitを行うと・・?

# bin/storm jar storm-starter-0.9.1-incubating-jar-with-dependencies.jar storm.starter.ExclamationTopology ExclamationTopology-3
(省略)
354  [main] INFO  backtype.storm.StormSubmitter - Jar not uploaded to master yet. Submitting jar...
359  [main] INFO  backtype.storm.StormSubmitter - Uploading topology jar storm-starter-0.9.1-incubating-jar-with-dependencies.jar to assigned location: /opt/storm/nimbus/inbox/stormjar-06306ca5-a1d6-4991-a47a-98b87126186b.jar
409  [main] INFO  backtype.storm.StormSubmitter - Successfully uploaded topology jar to assigned location: /opt/storm/nimbus/inbox/stormjar-06306ca5-a1d6-4991-a47a-98b87126186b.jar
409  [main] INFO  backtype.storm.StormSubmitter - Submitting topology ExclamationTopology-3 in distributed mode with conf {"topology.workers":3,"storm.zookeeper.port":"Test"}
415  [main] WARN  backtype.storm.StormSubmitter - Topology submission exception: field storm.zookeeper.port 'Test' must be a 'java.lang.Number'
Exception in thread "main" InvalidTopologyException(msg:field storm.zookeeper.port 'Test' must be a 'java.lang.Number')
        at backtype.storm.generated.Nimbus$submitTopology_result.read(Nimbus.java:2466)
        at org.apache.thrift7.TServiceClient.receiveBase(TServiceClient.java:78)
        at backtype.storm.generated.Nimbus$Client.recv_submitTopology(Nimbus.java:162)
        at backtype.storm.generated.Nimbus$Client.submitTopology(Nimbus.java:146)
        at backtype.storm.StormSubmitter.submitTopology(StormSubmitter.java:98)
        at backtype.storm.StormSubmitter.submitTopology(StormSubmitter.java:58)
        at storm.starter.ExclamationTopology.main(ExclamationTopology.java:76)

このように、「storm.zookeeper.port」が"Test"という設定になっており、NumberではないからSubmit出来ない、
クラスタに投入する前にはじくことができました。

これは今までだと設定が誤っていることに気付かずにStormクラスタにSubmitしてしまい、
クラスタで起動する際にWorkerプロセスが起動して死ぬを繰り返す・・・という厄介な状態に陥っていました。

特に、実際に使っている方だと
JSONYamlといったファイルに設定値を外だしして読み込ませる方も多いと思いますが、
設定ファイルに記述していた内容が誤っていた場合に予め検出してくれるのでかなり便利に使えると思います。

3.Apache版Stormの初回リリース機能についてのまとめ

  1. Storm-UIに解説が加わり、各画面の項目の意味がわかりやすくなりました。
  2. TopologySubmit時に明らかに誤った設定は事前にはじけるようになりました。

特に新しい機能が追加された・・・というわけではないのですが、使いやすさが確実に増すバージョンアップだったと思います。

尚、別の投稿で紹介しますが、Storm-0.9.2-incubatingでリリースした内容は
使いやすくなる、ではなく実際に使える機能が追加されたリリースになっています。
Apacheに移り、今後も期待していけるStormになった、と言えるでしょう。

それでは。

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