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ChatGPTの新機能「Custom Instructions」を試してみる

カメラ好き機械学習エンジニアの@yktm31です。

先日7/21(金)に、ChatGPTの新機能「Custom Instructions」が発表されました。

openai.com

今回、その新機能を試してみたいと思います。

目次

概要

Custom Instructionsは、ChatGPTに事前情報として文脈や制約を教えることができる機能です。

ChatGPTから期待する回答を得るには、文脈や制約を与えることが重要になってきます。
そのため、プロンプトを以下のような形で与えることがよくあります。

あなたはPythonのエキスパートです。
以下の条件を元に、AWS Lambdaのコードを出力してください。

# 仕様

# 利用フレームワーク

# 補足

これを共通的に設定し、毎回入力する必要がなくなるのが、今回の新機能「Custom Instructions」です。

以下のような使い方が考えられます。

  • 文体の指定(例:「フォーマルに書いてほしい」)
  • コード生成時の言語・フレームワーク指定
  • 特定のロールを指定(例:「○○の専門家です」)
  • その他汎用性のある条件指定(例:論理的に、Step by Stepで説明してください。)

月額20ドルのChatGPT Plusユーザーのみ、この機能は利用可能です。

Custom Instructionsの設定項目

Custom Instructionsは、以下のような2つの設定があります。

上部の入力では、コンテキストを与えていきます。 下部の入力では、ChatGPTの出力の形式を指示します。

例えば上部には、「あなたは、Pythonのエキスパートです」といった情報を入力します。
そして下部には、「説明はすべてフォーマルな文章でしてください」といった情報を入力します。

実際に使ってみた

機能を有効化する

ベータ機能をONにする

「Settings & Beta」をクリックします。

「Beta features」から「Custom instructions」をONにする。

Custom Instructionsを設定する

「Custom instructions」をクリックする。

最初に開いたときは利用に際しての確認ダイアログがでます。
「OK」を押して進みます。

Custom instructionsの入力ダイアログが出てきます。

条件を与えて出力させる

今回は一例として、FastAPIとSQLiteで簡易なAPIを実装することを想定してみます。
また、ChatGPTはコードとともに、説明をしてくれることがほとんどですが、
今回はそれをOFFにしてみます。

以下のようにCustom instructionsを設定して、ChatGPTに命令してみます。

結果、以下のようにしていたライブラリを利用し、出力はコードのみになりました。

まとめ

これまで、コンテキストや制約を与えるため、長々とプロンプトを書くことも多かったです。
Custom Instructionsを使えば、そうした煩わしさがなくなりそうです。

注意したい点として、複数は定義できないため、 異なる内容を問い合わせる場合は、Custom InstructionsをOFFにしたり、
内容を変更したりする必要があります。

ある条件や制約のもと、連続してChatGPTとやり取りしたい場合、特に有用な機能で、 また一つ、ChatGPTでできることの幅が広がったと思います。

それではまた👋

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